1.債権債務についての社会的問題と消費者金融の実状と裁判所の対応 

 

 実際に当事務所が多く関わってきた債務者の実状は、高収入とはいえない状況にありながら、追い打ちのように賃金カットやリストラが行われ、消費者金融に頼らなければ生計を維持することができない状況に追い込まれています。また、日本人は非常に律儀な民族で、多重債務に陥っても、親、親戚、友人に頼って何とか返済を続けている人が多数存在しています。

 また、社会でも自殺者のうち経済生活苦を原因とする人が約24%を占めていると言われています。このことから、家出人も約24%の人が、経済生活苦を原因としていると推測することもできます。

 そして、その一方では高金利による貸付け、返済能力にくらべて過剰な貸付け等が横行していたため、大手消費者金融は、右肩上がりの成長を続けていました。

 このような矛盾から裁判所はグレーゾーンを撤廃し、一律に利息制限法をもって対応することとしました。これにより、高金利による貸付けについては、借入日から利息制限法により対応することととしましたので、利息を多く払っていた人については、債権者に不当利得として返還請求することができます。

 

2.利息制限法?出資法?グレーゾーン? 

 現在の日本において、貸付利息を定める法律の中に 「利息制限法 」という安い利息の法律と 「出資法という高い利息の法律の2つの法律があり、この2つの「間(グレーゾーン)」がどういう対応となるかが債務整理の大きなポイントとなります。以下簡単にご説明します。
 出資法が平成18年に改正されて、「利息制限法」と「出資法」の間(グレーゾーン)がほとんどなくなったため、
グレーゾーンが問題となる人は平成18年度より前に借り入れた人です。

 

【利息制限法】
民事一般の貸付利息の限界を定める法律です。利率は次のとおりです。

 

元本10万円未満の場合 →利率 年20%
元本10万円以上100万円未満の場合 →利率 年18%
元本100万円以上の場合 →利率 年15%

元本の金額によって制限利息を設け、それを越える部分の利息は無効となります。
しかし利息制限法に違反しても罰則はありません。

【出資法】
改正前は上限金利が29.2%という高金利でした。また、出資法に違反した場合は刑事罰を受けることとなります。
しかし、
改正後は上限金利が20%
まで引き下げられ、グレーゾーンは現在なくなったといえます。

【グレーゾーン】
利息制限法の制限金利は越えるが、出資法の上限金利は超えていないという範囲をグレーゾーン
といいます。
白とも黒とも言えない灰色の範囲の金利であるため、、「灰色金利
」とも言われます。
グレーゾーンによる金利は、民事上は無効ですが、刑事罰は受けません

ほぼすべての消費者金融はこのグレーゾーンに金利を設定
していました。
 
 

 

 

 

 

3.債務の解決方法  

 
≫任意整理

 任意整理とは、「司法書士or弁護士」が債務者本人の代理人として裁判所を介せず、消費者金融と交渉し、債務を減額する方法です。そのため裁判所に行くことはありません。
   

≫自己破産   

 自己破産とは支払不能となった債務者について、保有する財産を債権者に分配する破産手続きをとった上、法定の書面を提出する裁判上の手続きの一つで、債務のすべて(税金等一部のものを除く)免責させる制度です。
 法定の書面は司法書士が代行して作成することができます。

≫民事再生 
 
 
民事再生とは将来の収入からある一定の金額を支払うことにより、自己破産せずに残りの借金を免除してもらえる制度です。
任意整理では(債務の総額が多過ぎる為)厳しいものの、(マイホーム等の重要な財産を失いたくないし)自己破産も避けたい。
 そのような方のため、
任意整理と自己破産の中間的内容
となった借金解決方法です。
 法定の書面は司法書士が代行して作成することができます。

≫特定調停   

 特定調停とは裁判所に申立をし、裁判所に間に入ってもらいながら、消費者金融と交渉し、債務を減額する方法です。消費者金融の金利から、利息制限法に引き直していく等、任意整理とよく似ています。
 140万円以内であれば司法書士が代理することができます。

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所在地:488-0840 
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